蝸牛記


日々の暮らし 読書メモ 観劇(レ・ミゼラブルなどミュージカル中心)メモ(筧利夫さん・今拓哉さん中心) 旅行メモ・最近は宝塚にも手を広げてしまいました。
by moriko1012
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コンフィダント・絆

4/28 ソワレ パルコ劇場

妹と別れ、渋谷に移動。渋谷は飲みにくるか、芝居に行く以外行かないんだけど、あいかわらずの混雑振り。

さて三谷さんの新作。中井貴一さん、寺脇康文さん、相島一之さん、生瀬勝久さん、堀内敬子さんと、豪華キャスト。音響は下手側に一段下がったところでのピアノの生演奏。セットは彼らの共同アトリエで窓からは建設途中のエッフェル塔がうっすらとみえます。ベランダもついていて実際に出られるようになってる。(セット転換はなし)



簡単に言ってしまえば、ゴッホ、ゴーギャン、スーラという三人の才能ある画家たちと、シュフネッケルという一人の凡人がひとつのアトリエで・・・、という話。狂言回しとして堀内さん演じる絵のモデル、ルイーズが登場する。エピソードとしては、ゴッホの話、ゴーギャンの話、(一幕終わり)スーラの話、シュフネッケルの話という構成でその合間合間にルイーズの歌が入る。この♪スーラ・ゴッホ・ゴーギャン・パー・シュフネッケル~♪が妙に耳に残りました。あ、このパーというのは、フランス語で「par」英語で言うところの「by」なんですが、これは本筋にも関わってくるお話です。

一幕は笑えるシーンもたくさん、声をあげてわらわせてもらいました。ここでびっくりしたのが、中井さんのコメディアンぶり。TVでしか拝見したことがなく、まじめな印象が強かったのですが、いやはや、その端正な雰囲気が面白いことをすると、可笑しさ倍増ですね!
二幕は4人の均衡がとうとう崩れてしまうので、笑い要素は少し減ります。一番身につまされたのは、スーラがゴッホの素晴らしさを見抜いていながら、展覧会へはゴーギャンの絵を推したところですかね。しかも、シュフネッケルに選ばせるというやり方で。その、人間の卑劣さ、エゴイズム、優越感、そしてひ弱さは誰もが持っているもの。「ゴッホには適わない」とわかるだけの才能は持ち合わせてしまったスーラの不幸。(これが不幸かどうかは意見の分かれるところかもしれませんが)スーラがそのあと自分の絵を引き裂いてしまい、絶望の声を発するところはつらかったです。

ゴッホの理解されなさへの苦悩や、ゴーギャンの屈折したゴッホとの関係(ルイーズには見抜かれてしまうけど)、そして前述のスーラの苦悩。3人の「天才」の苦悩は、しかし、私たち観客の理解をこえてしまうのも現実です。でも、この芝居が私たちのところに「降りてくる瞬間」。これはシュフネッケルという人物にあります。

わたしはこの人物についてはほとんど知識がありませんでした。最近BSハイビジョンでやっていたオルセー展の番組で、多くの才能を見出した人物だが、あまりしられていない、ということを知ったくらいでした。

このシュフネッケルの「凡庸さ」。しかしこの凡庸さを彼自身が理解していなかった故の「悲劇」。これこそが、この芝居を私たちに近づけたものに他なりません。スーラとゴーギャンはゴッホの「凄さ」を理解できる。でもシュフネッケルにはわからない。そこが彼らと彼の大きな違いなのです。
ずっと4人でアトリエで絵を描きたいと考えていたシュフネッケルは、とんだ思い違いをしていたことに気づかされるわけです。シュフネッケルが、どうにかしてこのアトリエを残したいと嘆願するシーンは、その嘆願する姿がもはや彼らとの違いを際立たせて哀れでした。この難しいシーンんを見事に演じきった相島さんは、素晴らしかった。
シュフネッケルにルイーズが語りかける、「大丈夫、あなたはいい人」っていうのがまた涙をさそうんですよねぇ。

3時間、あっという間でした。最初は4人のやりとりに笑っていただけでしたが、ラストにむけてぐ~っとひきつけられました。4人の俳優さんの当てはめ方もよかったし、堀内さんもおきゃんで、しっかり者の、そして時には外部者ならではのするどさで舞台を引き締めていました。
チケットとれてよかったなぁ。

あ、二幕の最初にバンドネオンで三谷さん自身が出演されていました。出たがりなんですねぇ。
まさか、公演全部に出てるのかしら?そんな暇はないだろうけど・・・。
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by moriko1012 | 2007-05-03 22:36 | 観劇レポ
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