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蝸牛記


日々の暮らし 読書メモ 観劇(レ・ミゼラブルなどミュージカル中心)メモ(筧利夫さん・今拓哉さん中心) 旅行メモ・最近は宝塚にも手を広げてしまいました。
by moriko1012
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テイクフライト 11/24 25 ソワレ

プレビューを二回拝見しました。どちらも3階の天井桟敷です。(予算の問題です)1回目は二列目の下手から、2回目は8列目の上手からでした。




セットの高さがかなりあるので、3階席でもよく見えました。見えすぎ(後述)という感もありましたが・・・。セットは二階建てのコンテナをいくつかつなげた様なものでかなり大掛かりなもの。扉が引き戸のようになっていてそこで演技もされるし、全部閉じてスクリーンになったりもします。上手袖にレールで引っ込んだり、出てきたりします。
イメージとしては、飛行機の羽を上から見た感じ?とでも言えばよいのかな。(原始的な飛行機の羽です。イメージ伝わりにくいかも・・・)
治田さんと城田さんのシーンで飛行機(の原型みたいなボックス状のもの)がバトンで上がってからそのセットの上に入る、というのがあるのですが二回ともかなり危なっかしい。二回目は支える裏方さんがちらほら見えてしまってました。本当に危険なのでなんとかしてほしいですねぇ。

舞台は上手に盛り上がったところがあってやや凹凸がある平面構成です。一番奥に傾斜がありますがあまり使われることはありませんでした。場合に応じて上手下手から書斎セットや、ロッカールーム、部屋なんかが平台にのってでてきます。
衣装はたぶん、その年代のものをわりと忠実に再現した雰囲気。イメージとしては、「古き良きアメリカ」といったところでしょうか。

さて、全般的な感想を。
何がいいたいのか伝わりにくい芝居でした・・・。WE版とくらべるとかなり改変してあるようですが、散逸な印象が否めませんでした。かといって群像劇というにはアメリアに偏っているように思うし。天海さん主演と大々的には宣伝してはいないものの、メディアへの露出などからすれば彼女を主に持ってきたかったのは分かります。いちおうアメリアの物語、という触れ込みでしたしね。でもそのアメリアを描ききれていなかったと思います。これは天海さんの技量というより、脚本や演出の問題かもしれません。アメリアの心の動きがいまいち見えなかったので、「どうしてパットナムと結婚したの?」とか「どうして飛ぶのをやめようと考えたの?」とか、最後にリンドバーグに「(飛行機)を降りないで」といったの?とか数々の疑問が駆け巡ってしまいました。彼女が求めていたのがそういう形の「自由」だったのかもいまいち。「飛びたい!」といってみたり、「もうやめるわ」といってみたり、旦那のパットナムじゃなくたって苦悩するでしょう、こんな女性が妻だったら。たぶんもっと心理描写を丁寧に追っていけばよかったのではないかと思います。それと基本的にパットナムとのシーンが多いのですが、それも分かりにくくさせているなぁと感じました。宮川さんが追加されたのは、パットナムのシーンやナンバーを日本版の際に(宮本版?)追加したので当初発表されていたキャストでは賄えなくなったからだと聞きました。(これについても一家言あるのですが)
でも、アメリアを中心に描いていったほうが観客には分かりやすかっただろうし、まだ彼女に寄り添って観ることができたかもしれません。昨夜お会いした某様ともお話していたのですが、「エリザベートのシシィみたい・・・」と思っていたのはここだけの話です。天海さんはスタイルも抜群だし雰囲気も格好良いので、アメリアのイメージとしてはぴったりでしたが、歌で感情が伝わってきませんでした。このミュージカルの楽曲はとにかく難解でしたので天海さんはじめキャストは苦労したのでしょう。でも音符を追うのに必死になりすぎていたりして・・・。そして彼女の音域からかなりずれていたように感じました。音域が広くない、といってしまえばそれまででしょうが・・・。まぁ他に誰がキャスティングされればよかったのか、と言われると困ってしまうのも事実なのですが。全体的に天海さんも宮川さんも早口でセリフが一日目は理解できない部分も多かったのも残念でした。


そういう点ではリンドバーグも中途半端な感じでした。城田さんは「はじめまして」でしたが、かなり頑張っていたなぁという印象です。背がめちゃくちゃ高くて、(今さんが小さく見えました)若い飛行士を、苦悩を交えながらさわやかに演じていらしたように思います。ただあまりに身長がありすぎるので、手足の扱い方や身体の使い方を工夫されるともっと良いと思います。ちょっと棒立ちな印象。「リンドバーグの設定が、人間づきあいの不得手そうな像だったのでそういう演技だったのかもしれませんけど。あとこれは天海さんにもいえますが、オケに負けていた部分もあったので音響さんしっかり、でした。でもこれからが楽しみな俳優さんかもしれません。宮本さんのスウィーニー・トッドにも出ていたそうですが、全く違うテイストのミュージカルや芝居でも観てみたいな、と思わせる人でした。

ラサール石井さんのリリエンタールが狂言回し的な役割を担当していたようですが、キャラクター的にはおもしろいしハマっていると感じたものの、かなり歌唱としてはキビシイものがありました。音程を忠実に追おうとなさっているのでしょうか、そうしようとすればするほどラサールさんの持ち味が殺されてしまっていたように思います。存在感はさすが、だと思いましたけど。

アメリアやリンドバーグとそれをとりまく人々とは違う次元にいるのが、ライト兄弟でした。池田さんも橋本さんは息もぴったりだし、それぞれの兄弟の特性をうまくつかんだキャスティングで、彼らの出てくるシーンが「救い」でした。でもこの二人ならもっともっと「遊んで」くれるはずです。たぶん今回のミュージカルは特に橋本さんにとってはかなりアウェイ的状況だと思うので、その辺も影響しているかもしれないですが・・・。「さぁみなさんご一緒に!」とか手拍子とか、一日目はそれなりにノリもよかったのですが二日目は微妙でしたね・・・。もっとはじけてほしいです。池田さんは結構ミュージカルづいて?らっしゃるけど橋本さんはかなり丁寧に歌ってらしたのも印象的でした。もっと自分のものになれば「遊び」がでてくるでしょう。
ただ、彼らは基本的に二人だけのシーンばかりで、所々に挿入される形なので、時系列を混乱させる一因だったかもしれません。年代を超えた4人の飛行士たちがどこかで交差するのかな?と思っていたのですが、最後の最後でアメリアとリンドバーグがことばを交わしただけで、それもあまりよく分からなかったです。

さて、今さんについて。
プログラムに記載のあるのは5役。
本役?の設計士ホール。リンドバーグの機体の設計士という設定のようです。サンディエゴの工場のエンジニア。髪はオールバックでいつもキャスケットをかぶっています。髪型をすごく気にしているようで、帽子を被りなおしたりするときに髪を撫で付けるのがデフォルトのようでした。洒落者設定?ロッカールームのシーンでは櫛までだしてましたね。城田さんがなにしろ長身なので今さんが華奢に見えるくらいです。坂元さんにいたっては小人のよう(坂元さんファンの方、ごめんなさい)でした。でも色がくすんだブルーなので、どこかの空調設備の作業員みたいでした。プログラムのセーター姿を期待していたのですが・・・。

その他には登場順でいくと、
リンドバーグの大学の事務長?グレーの三つ揃えにひげにメガネ。ヒゲが似合ってなかったけど、三つ揃えはすごく素敵でした。女子学生をはべらせているのがナゾでした。
あと、これはシルエットなのでもしかしたら違うかもしれませんが、アメリアのお父さんもやっていました。アメリア母を殴るDV夫・・・。ベスト姿でしたからたぶん事務長のジャケットを脱いでやっていたのかな。
あとは記者の役。トレンチコートに山高帽です。「女性の社会的地位について~(うろ覚えですが)」のような質問をしてました。この記者は何度か出てきます。アメリアが世界一周してる途中のカラチでの電話シーンで受話器を受け取っていたり。あとは、南極と北極点に飛行機で到達成功したバード大佐。短いソロナンバーがありました。ちょっとロックテイストの。
とにかく衣装替えも多く、舞台裏では大変だったでしょうねぇ。でもコーラスに入ると本当に厚みがでます。治田さん、坂元さん、今さんが入ってるんですもんねぇ。だからこそ・・・ブツブツ。

そうそう、その坂元さんは、メインはパットナムの秘書です。髪は撫で付けてチェックのスーツ。出オチ、というかかなり笑える、ある意味では美味しい役どころです。そして、短いレビューシーンでは、なんとレオタード姿(ちゃんと羽?もスパンコールも、ムネもついてます!)でご登場。実は一回目は分からなかったのですが、二回目ではっきり分かりました。

でもでも!どうしてこんなに歌えるお二人が、ほとんどソロナンバーがないんだ~。小市さんの扱いももったいないです。もう少しストーリーやナンバーを整理できていたら、急遽キャスト追加なんてしなくてよかったんだろうけど。宮本さん、構想5年って本当ですか?とてもそうは見えない準備のあまさなんですが・・・。
宮川さんに恨みはないですが、実はパットナムは今さんだと思っていたんだよねぇ・・・。宮川さんは失礼ながら音程はわりといいと思いますが、歌ってるだけなので・・・。本当にこのテイクフライトの楽曲は難しそう、というか玄人好みっぽい音楽ですし。(多分稽古期間のこともあると思いますので、これから良くなっていくのでしょうけど)大変失礼な話ですが、宮川さんが歌うのを拝見しながら、「あ~、今さんだったらどんな風にされるのかな~」と考えたりもしてしまった2時間40分強でした。

でも、本日が初日!なんですよね。どんどん練り上げていってほしいところです。音響さんはじめ、スタッフさんも頑張ってください。あ、オーケストラすっごく良かったです。特にブラスの響きがまろやかで素敵でした。不思議と国際フォーラムで観るミュージカルのオケ素晴らしいことが多いです。国際フォーラム自体は椅子が硬くてあまり好きじゃないですが。
梅田大楽、行くかどうかはもう少し考えてみます・・・。
by moriko1012 | 2007-11-27 00:17 | 観劇レポ
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